2010年5月21日金曜日

『千の風になって』という歌が私たちに届くまでの話・第11話

●「黒い木曜日」とよばれる世界中をおそった大不況
 そういう生活が10年以上も続いた1929年10月24日,マリーが23歳の時,突然ニューヨークの株が大暴落しました。その影響は,世界中に飛び火し,世界中の街々が失業者であふれました。ボルチモアでは,自死(自裁)を選ぶ人も多かったそうです。
 人々は苦しい現実の中で,夢と安らぎを求めて,映画館に殺到しました。不況の中,映画館は繁盛しました。マリーは,ヒッポロドーム劇場という,時にはコンサートや演劇も上演するような大きな映画館の窓口の仕事を得ることができました。それまでつとめていたデパートが不況で経営が苦しくなりました。そこでマリーも新しい仕事を探さなければなかったかもしれません。
しかし,コンサートや演劇が上演されることもあるこの劇場は,マリーにとっては憧れの職場でした。愛読書『ロミオとジュリエット』の上演を見たかもしれません。

0 件のコメント: