2010年7月12日月曜日

はやぶさ調査中です

京阪奈学研都市にある国会図書館に来ています。今日は一日はやぶさのことを調べます。イオンとは何か?プラズマとは何か?ロケットの推進力はどのような仕組みで生まれるのか?などを調べでるつもりです。成果があればまた報告します。

2010年7月11日日曜日

授業プラン《はやぶさの旅》第2回授業の結果報告です

昨日の土曜日(7月10日)は,御室科学教室の日でした。
教師時代の保護者の方を中心に集まっていただいて,
もう6年続いています。

昨日は,《はやぶさの旅》改訂第3版で授業しました。

自分で書いておきながら,最後のページを読んだら
涙がこぼれて,読めなくなりそうなので,
参加者の方に読んでもらいました。
読み終わった後,参加された方々から
自然発生的に「拍手」が生まれてきました。
6年間やっていて,初めてのことでした。
この授業プランに自信がわいてきた瞬間でした。

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評価
5(とってもたのしかった)     …7人
4(たのしかった)         …1人
3(たのしくもつまらなくもなかった)…0人
2(つまらなかった)        …0人
1(まったくつまらなかった)    …0人

感想を紹介します。
@宇宙開発に関しては,テレビ,新聞等で
知識を得る程度でしたが,科学のちから,すごい
研究の成果に感動しました。遠くで行われている
他人事がこんな身近に思えたので感謝致します。
こんな勉強を未来を担う子どもたちに一人でも
多く伝えていただくことを願っております。

@日本の技術の素晴らしさを改めて認識しました。
この〈はやぶさ〉の快挙を日本の子どもたちに
知ってもらって,一人でも多くの子どもたちに
夢や希望をもってもらえるようになればよいと思います。
「素晴らしい授業」でした。

@〈はやぶさ〉はテレビや新聞でいろいろ見ていましたが,
今日詳しく聞くことができてよかったです。日本人をすごいと
思う〈はやぶさ〉でした。

@集中した時間がもてました。〈はやぶさ〉はとても
興味ある授業で楽しかったです。

@《はやぶさの旅》のお話,とても感心しました。
先生の講義は,素晴らしいです。ありがとうございました。

@夢が広がります。空を見上げた時,
少しでも今日の事が頭にうかんでくると思います。

@予想ははずれっぱなし!宇宙のように,広大な単位と
相手には,頭がはたらきませんでした。それだけに
とても勉強になりました。

「課題もいただきました」
@「これからどうもっていこうかな」があまり見えてこなかった
のが残念。感動的な話なので,もう少し考える根拠に
なるようなものを工夫してほしい。(例えば,イオンエンジンの
推力の問題やスイングバイの仕組みなど。もう少し感動的に
持っていけるのでは?)

授業プラン《はやぶさの旅》第一回授業の結果報告です

先週の金曜日(7月9日),京都市内のある小学校の
家庭教育学級の講師を頼まれて
1時間半話をしてきました。
テーマは,
「たのしい夏休みの自由研究」です。

授業プラン《はやぶさの旅》の2版を授業させていただきました。
20人の保護者の方に参加していただきました。
評価は,

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5(とってもたのしかった)     …15人
4(たのしかった)         … 4人
3(たのしくもつまらなくもなかった)… 1人
2(つまらなかった)        … 0人
1(まったくつまらなかった)    … 0人

という結果でした。
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感想も書いていただきましたが,
個人情報に関することもあるので,
掲載は断念します。

2010年7月8日木曜日

大阪工業大学田原研究室を訪問しました

 田原先生の研究室を訪問しました。教えていただいたあまりの情報の多さに今,圧倒されています。時間をかけて整理して,少しずつこのブログで紹介していきます。
 
 研究室で,僕は田原先生にこんな質問をしました。
「ワールドカップで,日本がベスト16に入って,日本中が喜んでいますが(僕も喜んでいます),今回のはやぶさの成功は,宇宙開発競争というワールドカップで優勝したくらいの価値があるのではと思っているのですが,先生はどう思われますか?」
 田原先生は「私もそう思います」と答えられました。ひょっとしたら,一回の優勝ではなく,何回か連続して優勝したくらいの価値があるのではないでしょうか。そのためにも,さらに研究が進むことを願います。
 僕も,授業プラン《はやぶさの旅》の作成を通して,はやぶさの成し遂げたことの意義が,子どもたちに少しでも正確に伝わるように,さらに研究を積み上げていきたいです。

2010年7月6日火曜日

授業プラン《はやぶさの旅》[質問1]

 昨日授業プラン《はやぶさの旅》第2版が完成しました。少しずつこのブログに載せていきますので,読んでいただけるとうれしいです。イオンエンジンの箇所がまだ書けていませんが,明日大阪工業大学で,イオンエンジンの噴射実験を見せていただきますので,それを見れば,少しは書けるかもしれません。イオンエンジンを実際に動かしていただく田原先生には,感謝の言葉もありません。

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授業プラン《はやぶさの旅》第2版

〈はやぶさ〉の旅
7年の旅を終えて,〈はやぶさ〉は,宇宙から戻ってきました。惑星の石や砂やガスが入っている可能性をもったカプセルを,無事に地球に届けた後,自分自身は燃え尽きてしまいました。〈はやぶさ〉本体が燃える光は,オーストラリアの上空を明るく照らしました。いくつものトラブルを乗り越えての帰還に,世界中が驚きました。
[質問1]
下の写真を見てください。これが〈はやぶさ〉が7年をかけて,行って戻ってきた惑星〈イトカワ〉です。〈イトカワ〉は,糸川英夫という人の名前から付けられています。糸川という人は,「日本のロケット開発の父」と言われる人です。では惑星〈イトカワ〉は,糸川英夫が発見したのでしょうか。それとも外国の人が発見したのでしょうか。それとも糸川英夫以外の日本人が発見したのでしょうか。
予 想
 ア.糸川英夫が発見した。
 イ.外国の人が発見した。
 ウ.糸川英夫以外の日本人が発見した。



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2010年7月5日月曜日

「目で見る天文学」から「目で見ない天文学」へ

 昨日の続きをどう書くかをずっと迷っていました。僕自身がわからないことだらけなので,暗闇を手探りで歩く状態です。そしたら,今朝二条城の周りを歩いていたら,突然「書き始めの部分」がふっと浮かんできました。浮かんできた通りに書いてみます。

 「目で見る天文学」から,「目で見ない天文学」へ

 科学的な天文学を初めた人,実はこれもガリレオなのですね。彼は,オランダのあるレンズ職人が発明した望遠鏡を初めて天体に向けました。そしたら,月には山があり,太陽には黒点があり,木星には衛星があることがわかりました。天体は完全な神ではなかったということです。それ以来,「目で見る天文学」が始まりました。しかし,では目で見えるもの,つまり「光とは一体なんだと思いますか?」しかし,それがわかるためには,「電磁波とは何か?」がわらなければなりません。しかし,これがよくわからない問題なのです。
 「光とは何か?」「電磁波とは何か?」

 こういう問題を「実体論的な問題」といいます。しかし,よくわからないのです。そういう時には,「現象論的に課題を設定すること」が有効です。「電磁波とは何か?」がわからなくても,私たちに日常的に電磁波に頼って,便利な生活を送っています。電磁波を分類すると次のようになります。


     ---中波(ラジオの電波)
     ーーー短波(ラジオの短波放送) 
  電波 ---超短波(テレビの電波)
     ---マイクロ波(携帯電話や電子レンジで使われている)
  
  赤外線

  可視光線

  紫外線

  X線

  γ線


 こういうものをまとめて「電磁波」と定義しているわけです。私たちが目で見ている世界は,電磁波の世界の本の一部分だということになります。
 このことが分かった時から,「電波天文学」が始まったといいわけです。ここまで書いてきて,自分自身がとてもすっきりしました。

2010年7月4日日曜日

銀河系の自転

 太陽が地球の周りを回っているのではなく,地球が太陽の周りを回っていることに,初めて気づいたのは古代ギリシアのアリスタルコスという人でした。私が翻訳をすすめているエピクロスの影響を受けた人です。しかし,古代ギリシアローマの滅亡とともに,その発見は闇へ葬られてしまいました。アリスタルコスの本を読んだコペルニクスが再度「地動説」を発表するのに2000年かかりました。
 しかし,その太陽が銀河系の中心にあるのではなく,かなり端の方にあることに人類が気付くのに,200年もかかっていないと思います。多くの間違いや悲劇を引き起こしながら,やはり人類は少しずつ進歩しているのでしょう。
 昨日は,その「銀河系自体が自転していること」を知りました。驚きました。知っている人にとっては,常識なのかもしれませんが,私にとっては驚きでした。「知らないってことは,素晴らしいことです」 
 では,地球は24時間で自転していますが,銀河系はいったいどれくらいの時間をかけて自転していると思いますか。
 実は,約2億年かかって一回まわるというゆっくりしたものです。しかし,太陽は中心から遠く離れているために,秒速250kmの速度で回っているそうです。秒速ですから,時速になおすと,
 250×60(1分は60秒)×60(1時間は60分)=90.0000(90万km)

 時速90万kmで銀河系の周辺を回っている太陽 
 その太陽の周りを回っている地球や<イトカワ>

 そんな気の遠くなるような空間を7年かけて,
60億kmの旅をおえて戻ってきた<はやぶさ>。授業プラン《はやぶさの旅》の対する私の思いは,熱くなる一方です。しかも,それがエピクロスやその親友ストラトン,そしてその弟子アリスタルコスにつながる研究であることに気付くことができ,古代ギリシアの伝統の上で仕事ができている今の状況を「たのしい」と思えます。感謝の気持ちでいっぱいです。
 昨日このブログを見ていただいた方は,55人を超えています。ありがとうございます。「見ていただくことが時間の無駄にならないように」していく責任を感じています。
 これから二条城を一周していきます。早朝の二条城はとってもきれいです。しかも,名誉ある無血革命「大政奉還」が実現した場所でもありますので。勝海舟や坂本竜馬や小松たてわきに思いをはせながら。

2010年7月3日土曜日

静止衛星の苦労

授業プラン《はやぶさの旅》に関連したことを勉強しているおかげで,たのしいことがわかってきました。私は今まで「静止衛星はただ,静止している」と思っていたのですが,そうではなかったようです。ただ静止しているように見える静止衛星には,実はいろんな力がかかっています。
1…太陽の微弱な引力
2…月からの微弱な引力
3…薄いとはいえ若干存在する空気の抵抗
4…地球がほんの少し楕円型をしているための影響

ということで,静止衛星は,絶えず
「姿勢制御」「軌道制御」
の必要に迫られています。つまりしばしばエンジンを使う必要があるということです。ここで一番の問題は,エンジンの耐用年数ではないそうです。一番の問題は,「燃料の量」なのです。
そういった意味でも,今回の<はやぶさ>に積まれたイオンエンジンの燃料キセノンは,従来の10分の1の重さで同じ働きをするそうです。静止衛星の耐用年数を飛躍的に高めるというわけです。
イオンエンジンンの素晴らしさが,たのしく伝わったでしょうか。

2010年7月2日金曜日

授業プラン《はやぶさの旅》

京都市内のある小学校での模擬授業が終わりました。
みなさん大変お忙しい中での授業だったので,参加者は2人と少なく,感想文を書いてもらう時間もなかったですが,授業プランに対する評価はとてもよかったと思います。授業している僕自身が,とてもたのしく授業できました。課題は,「はやぶさの軌道をどう説明するか?」「イオンエンジンとは何か?」そして「ロケットが前に進め仕組み?」です。
 昨日授業寸前に「〈はやぶさ〉が〈イトカワ〉を目指す目的とは」という文が思い浮かびました。実際に授業で読んでみると,参加者の方から,「ホー,そうだったのですか」という声が上がりました。授業プランを作る醍醐味ですね。その文章を紹介します。
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〈イトカワ〉を目指す目的
 〈はやぶさ〉のチームの人たちは,どんな目的をもって〈イトカワ〉を目指したのでしょうか。実は,〈イトカワ〉は,46億年前に地球や月と同じ頃に誕生しました。しかし太陽や月のような大きな星は,引力が強いので内部がとけてしまい,重い物質が中心部へと沈んでしまいました。もうその物質を調べることができなくなりました。ところが,〈イトカワ〉は,小さな星なので内部がとけることもなく,誕生当時のままの状態を保ってくれているのです。だから,〈イトカワ〉を調べると,地球や月の誕生の頃が様子がわかるのではないかと期待されています。
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