2010年8月29日日曜日

「千の風になって」の原詩にタイトルをつけてみました

まだまだ暑いですが,2010年の夏の終わりかけています。今年の夏も,たのしく勉強できました。「学びながら歳をとる」古代のギリシアの民主制の基礎を築いたソロンの言葉です。この言葉の重みとたのしさを感じることのできる毎日です。「千の風になって」の原詩には,タイトルがついていません。今までいいタイトルが思いつかなかったのですが,10日ほど前に突然思いつきました。それは「生と死について」というものです。「千の風になって」の原詩を,新しい題と新訳でたのしんでいただけるとうれしいです。


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《生と死について》
          マリー・E・フライ著
吉田 秀樹訳

私のお墓の前で泣かないでくだい
そこに私はいません
眠ってなんかいません

私は吹きわたる千の風の中にいます
私は静かに舞い落ちる雪の中にいます
私はやさしく降りそそぐ雨粒の中にいます
私は熟した穀物が咲き誇る畑の中にいます

私は朝の静けさの中にいます
私は弧を描いて飛ぶ美しい鳥の優雅な流れの中にいます
私は夜ふりそそぐ星の光の中にいます

私は咲き誇る花の中にもいます
私は静かな部屋の中にもいます
私はさえずる鳥たちの中にもいます
私は愛しきものひとつひとつの中にいます

私のお墓の前で泣かないでくだい
そこに私はいません
死んでなんかいません

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