2010年5月11日火曜日

『千の風になって』という歌が私たちに届くまでの話・第10話

●困難を極めた就職活動
 昼間仕事を探しながら,夜はその図書館で読書をするという日々が続きました。しかし就職活動は困難を極めました。12歳の少女を雇ってくれる所などなかったからです。
 マリーは重大な決意をします。「一生に一度の嘘をつこう。14歳と偽ろう」 
 あるデパートがレジ係を募集していたのですが,14歳以上という条件があったからです。マリーは14歳と偽って,採用試験を受けました。普段の勉強の成果が発揮されました。採用試験を優秀な成績で合格し,年齢を偽ったこともばれることなく,ついに仕事をつくことができたのです。 
 しかし,貧しい暮らしは続きました。お金にゆとりのないマリーは,夜と休みの日は,〈イーノック・プラット自由図書館〉に通いつめました。
 16歳当時の愛読書は,『ロミオとジュリエット』(シェークスピア著)や『嵐が丘』(エミリ・ブロンテ著)でした。

0 件のコメント: