2011年8月8日月曜日

板倉聖宣『科学者伝記小事典』(仮説社,2009)
p21)「アリスタルコスの項目」
 古代ギリシアのサモス島で生まれ,アテナイで前288~270年の間,アリストテレス学派の学校で学んで帰ったという。

(秀樹曰く…志筑忠雄の真似をしています)
前288~270年というのは,
重要な18年間です。
というのも,
原子論を確立したエピクロスが269年に死去し,
後を追うように
真空の存在を実験で証明したストラトンが,
270年に死去しています。

ストラトンは,アリストテレス学派の
第3代学長ですが,
その学長が,アリストテレスの考えを
真っ向から否定する実験をしています。
これは,まさに学派を超えた
科学者的な研究姿勢だと思います。
そういうストラトンに,
地動説を発見したアリスタルコスは,
学んでいるのです。

しかも,
アリスタルコスは,
エピクロスと同じサモス島出身でした。
人間として,同郷の人に対して
親しみを感じるのは,昔も今も同じではないでしょうか。

しかも,
ストラトンは,出身地ランプサコスで
エピクロスに学んでいるのです。

この三者が,
この18年間で,
アテナイで
原子論と地動説を確立したでのはないでしょうか。

今まで誰も語ったことのない事実ではないかと思います。

新しい古代のギリシア,
新しい科学の歴史,
そして
新しくて,楽しい哲学の歴史を
生み出すことができそうです。

9月18日(日)に
東京で発表します。