2010年6月3日木曜日

『千の風になって』という歌が私たちに届くまでの話・第13話

(第2部)
●書きかえられたマリーの詩
 マーガレットは、マリーの詩をとても気に入りました。職場の人に見せると、職場の人たちも「とてもいい詩だ」とほめてくれました。職場の仲間の一人が「その詩をポストカードに印刷して多くの人に読んでもらおう」と提案しました。多くの人が賛成しました。そのための費用は、職場のみんなのカンパですぐに集まりました。数百枚のポストカードが印刷されることになりました。
 しかし、ここで問題が起こりました。ポストカードにするには、マリーの詩は少し長すぎたのです。そこで大事な文が2つ省略されました。さらに前置詞「in」がすべて消されました。しかも,印刷されたポストカードには、作者の名前が書かれませんでした。「なんでそんなひどいことを!」と思うかもしれません。しかし、マーガレットの職場の人たちは、マリーの詩がいい詩だとは思えても、まさかその詩が後に世界中の人から支持されるようになるほどの詩とは思えなかったのです。軽い気持ちで行ったことが,のちに世界中を巻き込んだ大問題になるとは,マーガレットの職場の人たちには,想像もできなかったのです。

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