タレスは,日食の原因を知りませんでした。
では,なぜタレスは日食を予想できたのでしょうか。
実は,彼はある人たちが長年にわたって集めたデータを利用したのです。
それは,タレスの近くの国バビロニアの神官といわれる人たちが
集めたデータでした。神官たちは,太陽の動きを克明に記録していました。
その記録は,前721年以来続いていたそうです。
だから,そのデータに基づけば,次の日食はいつ頃起るだろうという予測は
可能になっていたのです。
しかし,神官たちは,その情報を民衆に公開することはありませんでした。
その情報は,王のためのものだったのです。
だから,なんかのルートでその情報を知って,
しかも民衆に公開したタレスは
偉大だと言えるのではないでしょうか。
しかし,そのタレスも,いつ頃に日食が起こるということは
予測できても,それがどこでおこるかということまでは,知らなかったのです。
それは,バビロニアの神官たちも知らなかったことなのです。
だから,その日食がタレスの住んでいるところの近くで起こり,
しかも,戦争の真っ最中に起こるという劇的なことになったのは,
まったくの幸運だったのです。
しかし,天体は神ではなく,人間にとって,理解可能なものであるという
ことを証明したタレスの業績は,
それ以後,多くの弟子たちに
「科学研究への勇気」を与えることになりました。
そして,タレスの弟子の弟子,アナクサゴラスによって,
日食の原因も,月食の原因も解明されることになりました。
そんなタレスやアナクサゴラスのことを想像しながら,
皆既日食をたのしんできたいと思います。
中国から可能なかぎり,
このブログで,旅行の様子をお伝えしたいと思います。
読んでいただけるとうれしいです。
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