記憶にとどめておいてほしい日食があります。
それは,紀元前585年5月28日に起こった日食です。
その日食は,今のトルコのある地方でおこりました。
今から2600年前,
日本が縄文式土器と呼ばれる土器をつくって,
狩猟中心の生活をしていた頃の出来事でした。
それまでにも,数えきれないくらい日食は起こっていたのに,
どうしてその日食が大事なのでしょうか。
実は,その日食は
「人類史上初めての,予想された日食」
だったのです。
その当時の多くの人にとって,
太陽や月は,神々でした。
その神々の動きを予想した人がいたのです。
神々の動きを予想するだけでも,大変なことなのに,
彼は,その予想を多くの人の前で発表しました。
だっからそれは,
「世界最初の公開実験」
と言っていいかもしれません。
そして彼の予想は,見事的中したのです。
その人の名前を「タレス」と言います。
「世界最初の科学者」
という言葉にふさわしい人だと私は思います。
(その2,終り)
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