2010年8月29日日曜日

「千の風になって」の原詩にタイトルをつけてみました

まだまだ暑いですが,2010年の夏の終わりかけています。今年の夏も,たのしく勉強できました。「学びながら歳をとる」古代のギリシアの民主制の基礎を築いたソロンの言葉です。この言葉の重みとたのしさを感じることのできる毎日です。「千の風になって」の原詩には,タイトルがついていません。今までいいタイトルが思いつかなかったのですが,10日ほど前に突然思いつきました。それは「生と死について」というものです。「千の風になって」の原詩を,新しい題と新訳でたのしんでいただけるとうれしいです。


*****************************************

《生と死について》
          マリー・E・フライ著
吉田 秀樹訳

私のお墓の前で泣かないでくだい
そこに私はいません
眠ってなんかいません

私は吹きわたる千の風の中にいます
私は静かに舞い落ちる雪の中にいます
私はやさしく降りそそぐ雨粒の中にいます
私は熟した穀物が咲き誇る畑の中にいます

私は朝の静けさの中にいます
私は弧を描いて飛ぶ美しい鳥の優雅な流れの中にいます
私は夜ふりそそぐ星の光の中にいます

私は咲き誇る花の中にもいます
私は静かな部屋の中にもいます
私はさえずる鳥たちの中にもいます
私は愛しきものひとつひとつの中にいます

私のお墓の前で泣かないでくだい
そこに私はいません
死んでなんかいません

*************************************

2010年7月12日月曜日

はやぶさ調査中です

京阪奈学研都市にある国会図書館に来ています。今日は一日はやぶさのことを調べます。イオンとは何か?プラズマとは何か?ロケットの推進力はどのような仕組みで生まれるのか?などを調べでるつもりです。成果があればまた報告します。

2010年7月11日日曜日

授業プラン《はやぶさの旅》第2回授業の結果報告です

昨日の土曜日(7月10日)は,御室科学教室の日でした。
教師時代の保護者の方を中心に集まっていただいて,
もう6年続いています。

昨日は,《はやぶさの旅》改訂第3版で授業しました。

自分で書いておきながら,最後のページを読んだら
涙がこぼれて,読めなくなりそうなので,
参加者の方に読んでもらいました。
読み終わった後,参加された方々から
自然発生的に「拍手」が生まれてきました。
6年間やっていて,初めてのことでした。
この授業プランに自信がわいてきた瞬間でした。

**********************************
評価
5(とってもたのしかった)     …7人
4(たのしかった)         …1人
3(たのしくもつまらなくもなかった)…0人
2(つまらなかった)        …0人
1(まったくつまらなかった)    …0人

感想を紹介します。
@宇宙開発に関しては,テレビ,新聞等で
知識を得る程度でしたが,科学のちから,すごい
研究の成果に感動しました。遠くで行われている
他人事がこんな身近に思えたので感謝致します。
こんな勉強を未来を担う子どもたちに一人でも
多く伝えていただくことを願っております。

@日本の技術の素晴らしさを改めて認識しました。
この〈はやぶさ〉の快挙を日本の子どもたちに
知ってもらって,一人でも多くの子どもたちに
夢や希望をもってもらえるようになればよいと思います。
「素晴らしい授業」でした。

@〈はやぶさ〉はテレビや新聞でいろいろ見ていましたが,
今日詳しく聞くことができてよかったです。日本人をすごいと
思う〈はやぶさ〉でした。

@集中した時間がもてました。〈はやぶさ〉はとても
興味ある授業で楽しかったです。

@《はやぶさの旅》のお話,とても感心しました。
先生の講義は,素晴らしいです。ありがとうございました。

@夢が広がります。空を見上げた時,
少しでも今日の事が頭にうかんでくると思います。

@予想ははずれっぱなし!宇宙のように,広大な単位と
相手には,頭がはたらきませんでした。それだけに
とても勉強になりました。

「課題もいただきました」
@「これからどうもっていこうかな」があまり見えてこなかった
のが残念。感動的な話なので,もう少し考える根拠に
なるようなものを工夫してほしい。(例えば,イオンエンジンの
推力の問題やスイングバイの仕組みなど。もう少し感動的に
持っていけるのでは?)

授業プラン《はやぶさの旅》第一回授業の結果報告です

先週の金曜日(7月9日),京都市内のある小学校の
家庭教育学級の講師を頼まれて
1時間半話をしてきました。
テーマは,
「たのしい夏休みの自由研究」です。

授業プラン《はやぶさの旅》の2版を授業させていただきました。
20人の保護者の方に参加していただきました。
評価は,

*********************************
5(とってもたのしかった)     …15人
4(たのしかった)         … 4人
3(たのしくもつまらなくもなかった)… 1人
2(つまらなかった)        … 0人
1(まったくつまらなかった)    … 0人

という結果でした。
*********************************

感想も書いていただきましたが,
個人情報に関することもあるので,
掲載は断念します。

2010年7月8日木曜日

大阪工業大学田原研究室を訪問しました

 田原先生の研究室を訪問しました。教えていただいたあまりの情報の多さに今,圧倒されています。時間をかけて整理して,少しずつこのブログで紹介していきます。
 
 研究室で,僕は田原先生にこんな質問をしました。
「ワールドカップで,日本がベスト16に入って,日本中が喜んでいますが(僕も喜んでいます),今回のはやぶさの成功は,宇宙開発競争というワールドカップで優勝したくらいの価値があるのではと思っているのですが,先生はどう思われますか?」
 田原先生は「私もそう思います」と答えられました。ひょっとしたら,一回の優勝ではなく,何回か連続して優勝したくらいの価値があるのではないでしょうか。そのためにも,さらに研究が進むことを願います。
 僕も,授業プラン《はやぶさの旅》の作成を通して,はやぶさの成し遂げたことの意義が,子どもたちに少しでも正確に伝わるように,さらに研究を積み上げていきたいです。

2010年7月6日火曜日

授業プラン《はやぶさの旅》[質問1]

 昨日授業プラン《はやぶさの旅》第2版が完成しました。少しずつこのブログに載せていきますので,読んでいただけるとうれしいです。イオンエンジンの箇所がまだ書けていませんが,明日大阪工業大学で,イオンエンジンの噴射実験を見せていただきますので,それを見れば,少しは書けるかもしれません。イオンエンジンを実際に動かしていただく田原先生には,感謝の言葉もありません。

*************************************************************************

授業プラン《はやぶさの旅》第2版

〈はやぶさ〉の旅
7年の旅を終えて,〈はやぶさ〉は,宇宙から戻ってきました。惑星の石や砂やガスが入っている可能性をもったカプセルを,無事に地球に届けた後,自分自身は燃え尽きてしまいました。〈はやぶさ〉本体が燃える光は,オーストラリアの上空を明るく照らしました。いくつものトラブルを乗り越えての帰還に,世界中が驚きました。
[質問1]
下の写真を見てください。これが〈はやぶさ〉が7年をかけて,行って戻ってきた惑星〈イトカワ〉です。〈イトカワ〉は,糸川英夫という人の名前から付けられています。糸川という人は,「日本のロケット開発の父」と言われる人です。では惑星〈イトカワ〉は,糸川英夫が発見したのでしょうか。それとも外国の人が発見したのでしょうか。それとも糸川英夫以外の日本人が発見したのでしょうか。
予 想
 ア.糸川英夫が発見した。
 イ.外国の人が発見した。
 ウ.糸川英夫以外の日本人が発見した。



****************************************************************************

2010年7月5日月曜日

「目で見る天文学」から「目で見ない天文学」へ

 昨日の続きをどう書くかをずっと迷っていました。僕自身がわからないことだらけなので,暗闇を手探りで歩く状態です。そしたら,今朝二条城の周りを歩いていたら,突然「書き始めの部分」がふっと浮かんできました。浮かんできた通りに書いてみます。

 「目で見る天文学」から,「目で見ない天文学」へ

 科学的な天文学を初めた人,実はこれもガリレオなのですね。彼は,オランダのあるレンズ職人が発明した望遠鏡を初めて天体に向けました。そしたら,月には山があり,太陽には黒点があり,木星には衛星があることがわかりました。天体は完全な神ではなかったということです。それ以来,「目で見る天文学」が始まりました。しかし,では目で見えるもの,つまり「光とは一体なんだと思いますか?」しかし,それがわかるためには,「電磁波とは何か?」がわらなければなりません。しかし,これがよくわからない問題なのです。
 「光とは何か?」「電磁波とは何か?」

 こういう問題を「実体論的な問題」といいます。しかし,よくわからないのです。そういう時には,「現象論的に課題を設定すること」が有効です。「電磁波とは何か?」がわからなくても,私たちに日常的に電磁波に頼って,便利な生活を送っています。電磁波を分類すると次のようになります。


     ---中波(ラジオの電波)
     ーーー短波(ラジオの短波放送) 
  電波 ---超短波(テレビの電波)
     ---マイクロ波(携帯電話や電子レンジで使われている)
  
  赤外線

  可視光線

  紫外線

  X線

  γ線


 こういうものをまとめて「電磁波」と定義しているわけです。私たちが目で見ている世界は,電磁波の世界の本の一部分だということになります。
 このことが分かった時から,「電波天文学」が始まったといいわけです。ここまで書いてきて,自分自身がとてもすっきりしました。